我が家のIHクッキングヒーターは、三菱電機のCS-H2201Bです。最大火力は2000W(2kW)となります。賃貸マンションなので最初からマンションに設置されているものです。
今は最大火力3.2kW(3200W)の強力ヒーターがあるようです。メーカーや機種によって電磁波の数値に違いはあると思いますが、基本的にはコイルに流れる電流のパターンはどのメーカーも一緒だと思いますので参考にしてください。

IHクッキングヒーターの電磁波とは」で説明しましたとおり、IHクッキングヒーターから出る電磁波の周波数は20kHz~60kHzです。数千円で販売している電磁波測定器は精度の問題はさておいて、送電線や一般家庭電化製品からの50Hzや60Hzの超低周波の電磁界を測定する仕様になっております。
有名なトリフィールドメーターという電磁波測定器でも磁場・電場モードで測定可能周波数は30Hz~1KHz(1000Hz)、マイクロ波モードで50MHz~3GHzとなりますので、IHクッキングヒーターの電磁波を測定することはできません。
※新型のトリフィールドメーターは40~100KHzなのでIH電磁波対応となりました。(2017年追記)

そこでネットで色々と調べてみたところ、IHクッキングヒーターから出る電磁波を測定できる電磁波測定器をレンタルしているところがありましたので、そこで1週間借りることにしました。電磁波測定器レンタルサービス
「AC Milligauss MeterModel UHS」という測定器で対応周波数は1KHz~75KHzなのでばっちりです。

測定するIHクッキングヒーターは三菱電機のCS-H2201B(2000W)です。
メーカーにより火力段階が設定されているようですが、三菱製の火力段階 は1~8段階で分けてあり、電源を入れた時点では標準の5(750W)に設定されています。

最強火力が8(2000W)になります。 標準5(750W)の場合はトッププレート真上で717mG、火力8(2000W)にすると900mGもありました。かなり強烈な電磁波ではありますが、電源を入れたまま体をトッププレートに被さるような姿勢をとることはまず無いと思いますので、通常の調理姿勢を想定して0cm~30cmまでの距離を5cm刻みで測定していきました。

以下の写真は距離0cm~30cmまでを測定した数値です。火力5(750W)の場合と火力8(2000W)の2パターンでそれぞれ距離を0cm,5cm,10cm,15cm,20cm,30cmの6ヶ所での電磁波を測定しました。さてさて、結果はいかに。

測定写真を見ずに結果一覧までジャンプ

火力5(750W)での測定結果

距離0cm:18.47mG

 

距離5cm:7.58mG

 

距離10cm:3.76mG

 

距離15cm:2.34mG

 

距離20cm:1.48mG

20cm離れてようやく2mG以下になりました。
2mG以下だと私的には許容範囲ではあるのですが、常に20cm離れて調理するのはちょっと無理ですね。

距離30cm:0.74mG

30cm離れて1mG以下になりました。
以上が火力5での測定結果です。ガスで言うと中火(炎の先が鍋底に少し付く程度)になります。

引き続いて、火力8(2000W)の強火に設定して測定していきます。それではどうぞ。

火力8(2000W)での測定結果

距離0cm:27.4mG

 

距離5cm:11.7mG

 

距離10cm:7.79mG

 

距離15cm:4.67mG

 

距離20cm:2.92mG

 

距離30cm:1.51mG

測定結果一覧表

以下が今回の測定結果のまとめです。
4mGで小児白血病リスク2倍になるとの疫学調査があるようなので、ヨーロッパの環境に厳しい国々や健康被害を気にかける人々はさらにそれよりも厳しい2mG以下というのがひとつのガイドラインになっているようです。

背景色が赤の部分が4mG超えとなっています。
2000Wでは15cm離れても4ミリガウスを超えているのが気になります。

距離 火力5(750W) 火力8(2000W)
0cm(密着) 18.47mG 27.4mG
5cm 7.58mG 11.7mG
10cm 3.76mG 7.79mG
15cm 2.34mG 4.67mG
20cm 1.48mG 2.92mG
30cm 0.74mG 1.51mG

単位:mG(ミリガウス)

まとめ

ヨーロッパでは2ミリガウス以下の電磁波環境をガイドラインとしているそうなので、その基準からすれば標準火力で20cm以上、最強火力では30cm以上離れなければならず、調理できなくなってしまいます。

今回は中火程度(750W)と強火(2000W)で測定しましたが、出力が2000Wから750Wになると6~7割程度減衰し、距離が離れると更に減衰率は大きくなるようです。そのことから今回は弱火(350W程度)の測定は行いませんでしたが、弱火にすると更に数値はガクンと落ちるものと思われます。電磁波の影響は出力と距離により大きく違うことを実感しましたが、調理の場合は料理をすることが目的なので出力も距離も自分の都合でコントロールをするのは難しいですね。

知らなきゃ平気だったのかも知れませんが、知ってしまった以上、何か対策がないものかと思い、インターネットで調べたところIHクッキングヒーター専用の電磁波対策エプロンを発見しました。防護性能の違いにより3種類ありましたが、思い切って一番性能の高いタイプを購入しました。

そして次のページでは電磁波防護エプロンの性能を試すために実際に測定して商品の効果をテストしましたのでご覧ください。