火の無いところに煙は立たぬならぬ「火の無い台所で料理ができる」。最初にIHクッキングヒーターを見たときはびっくりしたよね。手を載せてもなんとも無いのに鍋を載せると加熱されるって・・・。ここではIHクッキングヒーターのしくみを説明しますね。

IH調理器は、コイルに25kHz付近の高周波電流を流して、それによって発生する磁力線が鍋の底を通過すると、そこにうず電流と呼ばれる電流が発生する現象を利用して鍋を温めます。
金属製の鍋の中でうず電流が流れると、金属の持つ電気抵抗によってジュール熱が発生して、鍋自体が発熱するというしくみ。このようにコイルを使った加熱方式を誘導加熱(Induction Heating)と言います。

うず電流が流れてジュール熱を出すには、銅やアルミニウムなどの電気抵抗の小さな金属製の鍋では効率よく加熱されないのでNG! IHクッキングヒーターに最も適した金属は磁石がくっつく鉄の鍋です。ステンレスでも磁石に付くものなら使うことはできますが、熱効率は落ちるようです。
パナソニックや三菱、日立等の日本の有名メーカーのビルトイン型から海外製の安価な卓上型など多くのラインナップが販売されています。

 

ポイントは鍋自体が発熱するということ、鍋を置かないと熱は発生しないので、子供やお年寄りにも安全というのがセールストークになっている。

ガスからのシェアを奪うためのマーケティングとしてガスコンロと比較する場合もよく見られるね。火を使わないのでCO2の削減に貢献、ガスよりも熱効率が高いので省エネ、タイマーで消し忘れ防止、掃除が簡単等々、IHクッキングヒーターは良いことばかりに見えるけど、視覚的に火力が見えないので使いにくいという意見や、設置後に電磁波による健康リスクの懸念があることを知ってしまったという意見もよく見られるから慎重に検討することが必要だね。